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No.20 |
思春期相談員・カウンセラー 佐藤 晴世 |
2008/3/30 |
子どもたちの居場所 3 |
| 最近のニュースから |
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「岡山駅で電車待ちの男性が線路へ突き落されて死亡した事件で、
18歳の少年が逮捕」「荒川沖駅・連続殺傷事件で24歳の青年が逮捕」と言いようのない事件が続いています。1997年に兵庫県神戸市で発生した連続殺人「酒鬼薔薇聖斗」の事件も未だ生々しく記憶に残っていますが、その後こうした若者の事件の凶悪性と幼児期から成績がよくいい子だったという評判が必ず表裏一体のように報道されていることが気がかりです。
岡山の事件や荒川駅での事件の犯人像はこれからの調査をまたなければいけませんが、どこか無理をして育ってきたのではないかという感じが、周辺の声から感じてなりません。
一時期「ゲーム脳の恐怖」という本がベストセラーになり「ゲームばかりしていると脳がおかしくなって切れやすい子になるんだよ」といわれていた時期がありました。現在ではその信憑性が疑われていますが、私は幼児期から思春期にかけて人格が形成される時期に一つのことだけを集中してさせられてる子どもたちに本当の意味で生きるということが難しくなっているように感じるのです。
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| 学習脳の恐怖 |
| 勉強にしろ、スポーツにしろ、ゲームにしろ、一日中同じことをさせていては脳の成長に偏りが生じます。ましてや、ゲームや勉強はある意味バーチャルな世界です。脳の中だけで完結してしまうことは、人間が動物としての本能や感性を鍛えることができません。
ゲームばかりさせているのはどこか大人の放任のようで、親も注意をしたり、別の方に気持ちを持っていかせる工夫をします。が、勉強となるとこちらは「学習脳の恐怖」と銘打って、親を震撼させることもありません。 しかし、私は「ゲーム脳の恐怖」以上に「学習脳の恐怖」をあげたいと思います。ここでいう学習は体験学習でなく机むかってする学習のことだと考えてください。幼児期に始まる「良い小学校」「良い中学校」「有名高校」「一流大学」という思考を私は「学害」と言いたいと思います。 こういういい方は過激だと言われるかもしれません。しかし「ゲーム脳の恐怖」には誰も批判しませんでした。信憑性が疑われている現在でさえ、多くの人が「ゲームばかりしていと脳が壊れる、人格がおかしくなる」と思っています。しかし勉強させすぎることに関しては誰も「学習脳の恐怖」とは言わず「脳が壊れる、人格がおかしくなる」とは言いません。 |
| ホッと出来る場所…家庭 |
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子どもたちは親の期待を背負って頑張って頑張って勉強しています。成績が上がれば「まあ良くできたわね。今度はもっと頑張りましょう」と励まされているでしょう。少し成績が落ちた子に至っては「いったい何を勉強しているんだ、ゲームばかりしているからこんな成績しか取れないんだ。ゲーム機を捨てるぞ」と脅されている子もいるのではないでしょうか。 板橋区の両親殺害事件(当時15才)はまさにそれが発端でした。 いつも同じことを言うようですが、勉強はいつでも出来ます。本当にしたい勉強がみつかれば、学校に行かなくても頑張れるのです。 「だからあなたも生き抜いて」の著者で弁護士の大平光代さんは中学校を不登校で卒業していません。その後中卒のハンディを乗り越えて 31歳で弁護士になりました。 彼女は弁護士になろうと決めてから小学校の教科書から勉強を始めたと書いています。壮絶な彼女の10代を誰にも体験して欲しくはありませんが、学力という点では人間はやり直しがきくのです。 親の仕事は子どもの人生の線路を敷くことではありません。子どもには自分の人生を自分で選択させてあげてください。自分で選択した人生なら辛くても頑張れます。 それよりも家庭では居心地の良い、安らげるホッと出来る場所を提供して欲しいのです。大人でも仕事で疲れて帰ってきて、嫌味ばかりいう夫や妻がいたらどうでしょう。帰宅拒否をしたくなります。ましてや自分では生きていく力も経済力もない子どもたちは家にしか帰る場所がないのです。
今夜一晩安らげる場所、ホッと出来る家庭があれば子どもは次の日の活力を蓄えることができます。そしてそんな居場所を持つ子には切れたり、人を追い詰めるような意地悪をする気持ちにさせないゆとりが生まれてくるのです。 |
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