bP0 |
|
思春期相談員・カウンセラー 佐藤 晴世 |
|
情報に戸惑う子どもたち
|
|
| 思春期の不安を追って |
|
| 現代、思春期の子どもたちが抱えている不安感は私たちが経験したものより、かなり強いように感じます。 そんな思春期の子どもたちの悩みや不安についてふれてみたいと思います。 まず、思春期には身長の伸び率が個人によって大きく異なりそれが不安の材料になります。声変わりもシャイな子にとっては苦痛なことです。でも、これらの悩みは比較的親や養護教諭が声を掛けやすいこともあって、どの子も肯定的に受け止めることが多いようです。 男子の場合はすね毛が濃くなることが、親の世代からは考えられないほど深刻に悩む例があります。 また、性器の大小や包茎に関する不安は大きく、しかも親にも先生にも話せない悩みになっています。 勃起や射精が十分に受け入れられず、「自分は変質者になるのではないか」という不安を持つ子も大勢います。
女子で多いのは「胸が平らなまま」という悩み。クラスメートがブラジャーを着け始めるころに自分の胸が小さいままの子は、それがどれほど短期間であっても、強い不安に駆られるようです。 また、胸のしこりがガンではないかと思ったり…。下着に付くおりものにも、病気ではないかと不安をつのらせます。 男女とも性器に関する科学的な情報が少ないので、自分の性器に色素が沈着してくることを「異常なこと」と感じる子もいます。 また“性に目覚める”(異性に興味を持ったり、マスターベーションで快感を感じたり)ことに強い抵抗を感じている子どもたちがいることも知って欲しいと思います。 これらの悩みの多くは情報が偏っていて、必要な情報が子どもたちに届かないことが大きな原因です。親の世代になかったこれらの不安の多くは、週刊誌や、少年・少女雑誌の性情報あるいはネット情報を鵜呑みにしてしまう結果。「これは本当の情報なの?」とは誰にも聞けず、誰も教えてくれないからです。
|
|
| 情報に煩労される子どもたち | |
男子が体毛の濃さを悩むのは、男性誌の多くが「すね毛や胸毛は女にもてない!」と否定的な扱いをして、これらを処理する薬剤の広告のうたい文句にしているからです。 包茎もしかり。泌尿器科や美容整形の宣伝文句に「包茎は女にもてない」「包茎を治してひとつ上の男になろう」などと書かれています。しかし、医学的に治療が必要な包茎がどういうものか、教育の場で知る機会はほとんどありません。泌尿器科医の岩室紳也さん(『 OCHINCHIN おちんちん : 日本家族計画協会 』『 総合思春期学:治療と診断社)』などを出版) によると「治療が必要な包茎はほとんど無い。真性包茎であっても、手術ではなく処置で済む場合が多い」とのこと。 女子向けのマンガ雑誌には巨乳の女の子があふれるように登場します。これ見よがしに、大きな胸の谷間を覗かせ、好きな男の子にアピールし迫っていきます。テレビやグラビアでも巨乳アイドル全盛時代です。そんな雑誌の中には『一日8粒で自慢のDカップへ』と薬剤の広告をしている雑誌もあります。これでは、胸の小さな子や、発達途上の子どもたちが悩むのも当然です。また、「きれいじゃなければ男にもてない」とあの手この手で美しくなる方法、プチ整形・ダイエット食品・塗るだけで美脚になれるジェルが紹介され、美容整形や豊胸術に誘いかけてきます。 医学的にも根拠のないこれらの美容情報や性情報がまかり通っているのに、大人達はその情報さえつかんでいなのが実態です。 ほとんどの学校で思春期対策はなく、男子の成長は本人任せです。
初経教育だけはどの学校でも取り組んでいるようですが、初経を素直に喜べない子が多いのはなぜでしょう。月経に関しても、性教育というよりも、臨海学校直前に月経処置教育として、行われているところも多いと聞きました。 自分の成長を喜び、自己肯定につながる教育とはほど遠いのです。 また、娘に対する母親からのメッセージの中に「もう来ちゃったの?」「めんどくさいわね」という大人の女になることへの煩わしさが垣間見えて、月経になったことを打ち明けられない子がいたりします。
|
|
| 大人からの大切なメッセージ | |
せっかく今日まで成長してきた子どもたち。 健やかにと願い、柱に背のたけを刻みつけてその成長を楽しんできた親が多いはずなのに、思春期といわれる年齢に達すると、戸惑い、その成長を素直に喜べなくなる。 そうした親や教育現場の思春期に対する教育の貧困さが、子どもたちを生きにくくしているとしたら…それは本当に残念です。 小さい頃、歓声をあげて、子どもの成長を共に喜びあったその延長線上にある思春期の子どもたちに、「生きるって、すてき! 成長するって素晴らしい!」というメッセージを送り続けてあげられたらと思います。
|
|
ご相談・問い合わせ
|