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研究所相談員・カウンセラー 佐藤 晴世 |
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| (7)ゆとり教育じゃダメなの? |
| @学力重視の空騒ぎ |
ゆとり教育や総合学習を見なおす方針を文科省が打ち出しました。 今まで以上に子どもに学力を競わせる時代が始まろうとしてます。 親の経済力や地域、学校の格差が子どもの学力に反映されてしまう、そんな時代がすでに始まっています。
でも本当にゆとり教育じゃダメなの? もちろん高学年になってきたら、机に向かってしっかりと学習することを否定はしません。ただしそれは遊びの時間やコミュニケーションの時間をしっかりと取れることを前提にしなければ、人間として育つには、ただの空騒ぎになってしまうと思うのです。 幼児の英才教育や、塾に通わせることで高い学力は得られるのでしょうか。ある程度の年齢に達すれば、学習時間や効率的な学習方法で学力が伸びるかもしれませんが、なんだかメディアの情報に乗ってしまって無理に学習に駆り立てられた子どもたちの行く末が心配です。
中には電話や訪問販売員の売り込みに乗せられて、下手な占いや新興宗教の信者のように、高額な教育器材を購入させられる人も後を絶ちません。
文科省がいうように総合学習より、ゆとり教育より学力重視の教育が本当に人生を成功に導くのでしょうか? 私はいつの時代でも人間の生きる力は総合力、特にコミュニケーション能力だと思っています。人間の遺伝子は千年や二千年では変わりません。百年後だって二百年後だって何にもましてコミュニケーション能力こそが人間にとって最重要課題であり続けることに変わりありません。 学校での総合学習やゆとり教育が失敗したと言われるのは、学力に反映しなかったからですが、学力は一生を通じて学ぶ力であり、1年間や2年間のデータだけで論じていいのでしょうか。むしろ総合学習やゆとりの時間にどのようなカリキュラムが組まれていたのか、子どもたちが自分で工夫したり、ケンカをしてでも自分なりの意見を出し合えたのかその検証もなく、廃止の憂き目をみてしまいました。 学校現場ではこの6年間先生達が様々な試行錯誤を繰り返してきました。幼児教育の現場では、研究が始まったばかりです。最低20年間は子どもの成長とともに見守るべき教育制度をお役人の思いつきでこうも変更されては、先生方は混乱し自信を無くすでしょう。子どもたちを学校に送り出す親も不安なだけではないでしょうか。 |
| A幼児期こそ多彩な遊びを |
| 幼児期から児童期にかけて集団でする森の探検 、木登り、秘密基地造り、泥んこ遊びやごっこ遊びはコミュニケーション力を育てる格好の遊びです。 また、コツコツと何かを作る一人遊びのようなことが、創造性や集中力を育てる上では必要です。そうした多彩な遊びを通して、その後の人生での総合力を高めると思っています。こうした遊びこそ総合学習といえると私は思っているのですが…。それが、今後学力中心主義の教育になれば、ますますおろそかにされるのではと心配です。
「うちの子は遊んでばかりで困る」この言葉は親同士の挨拶の共通語であったのははるか昔。今では子どもに自由な時間はほとんどありません。 自由を奪われた子どもたちに自分で自分の頭の中を整理したり、何かを想像したりする時間は残されているのでしょうか。
子どものためにいろいろなことをすることを全て否定するつもりはありませんが、もっと動物としての本能を私たち大人は信じることができないかなと思います。
前回紹介したおばあちゃんの性教育は、学力とは関係ない学習かもしれません。でも子どもたちにとっては、それこそが人間のふれあいであり、想像力や総合力、コミュニケーション力を育てるにふさわしい教育だと思います。
文科省や一部の政治家、メディアがいうような学力重視は、人間としての基礎が出来上がってからでも遅くありません。もっと人間として学ぶことがたくさんある時期に机に座って、ワークブックとにらめっこでは、幼児期から児童期に増える脳のシナプスがどんどん偏ってしまうと危惧します。
現に学力重視の時代に育ってきた大人達が今切れやすい社会人として、問題視され始めています。 親の経済力が比較的高く、幼児期から大きな期待を背負って、塾や習い事を真面目にこなしてきた子どもが突然親に向かって刃物を振り回す事件も増えています。
総合的なコミュニケーション能力や想像力よりも、紙の上の学力を重視した結果ではないでしょうか。私たち大人は、子どもたちの未来を見据えて、目の前の事象にだけ捕らわれるような教育論を批判する力を付けなければ、子どもを守れないと思います。
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感想・ご相談
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