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研究所相談員・カウンセラー 佐藤 晴世

 

(6)孫への性教育
 
@あるテレビ相談からの出発
 

  ある方から孫の性教育に関する相談を受けました。 内容はこうです。   「先日テレビを見ていたら、その中の電話相談コーナーで相談者の女性が『小学生の孫と一緒に寝ていると足を絡めてきたり、おっぱいをさわっていい?というのです。どうしたらいいでしょう』というので思わず同じくらいの年の孫のいる私は回答に聞き入ってしまいました。複数の回答者が「さわらせてあげてもいいじゃないか」と言ったり「お母さんの愛情が不足してるんじゃない?」と答えがまちまちでした。   夏休みに孫5人が泊まりに来ます。もし孫が私の胸にさわりたいと言ったら、どう答えればいいのか、急に心配になってきました。」   また、「自分の子ども達には性教育をしたことがなく、いつもはぐらかしてきたので、自分なりにすっきりしない気持ちを抱えてきました。私は整体師なので、夏休みを利用して整体つきお泊まり会をしようと計画していたのですが、この際、いっそ性教育も一緒にやりたいのです。どのようなことを話せばよいでしょうか。教えてください」というものでした。

 

Aおばあちゃんのおっばい、さわってもいい?
 

 おばあちゃんのおっぱいをさわりたいと言われたら…この質問に、私は次の様に答えました。 お孫さんに「おっぱいをさわりたい」と言われたときに「さわらないで」というのもある意味性教育だし、「はい、ぞうぞ!」とあっけらかんとさわらせるのも、「服の上からなら、さわっていいよ」といってあげるのも性教育です。  

 でもそのまえに、「どうしておっぱいをさわりたいの?」と聞いてあげることがまず大切です。そのことでお孫さんが、おかあさんのおっぱいの感触を思い出してさわりたいのか、おばあちゃんのふくよかな胸がクッションみたいで気持ちよさそうだからなのか、雑誌やネットから性的な刺激を受けているのかが、わかってくると思います。  

 その上で、お孫さんに「下着で隠している部分はプライベートな場所だよ」 と説明し  「あなたのお母さん(お父さん)にいっぱい吸われて、こんなになっちゃった!」といいながらさわらせてあげてもいいと思います。あなたがいやなら断っていいことです。

 お孫さんが性的な興味を持っているようなら「大人に近づいてきたね」と肯定しながら「じゃあ大人になるための準備をしなくちゃね。こんど性のことが書いてある本をプレゼントするよ」とさりげなく言ってあげましょう。

性に興味をもった子どものこころを否定しないように気をつけたいものです。

 

Bふれあいは性教育のチャンス
 

 性教育は自分が「性」についてどう考えているかを伝えることです。 このチャンスを逃す手はないですね。 でも、年齢も性別も違うお孫さんに「さあ座って! これから性教育の時間です。」というわけに行きません。 自分に伝えたいことがあればチャンスを狙って、素直に伝えることが一番。

 それができない、恥ずかしいという思いがあるなら性教育の絵本を買って来て一緒に読んでみるのが一番だと思います。  

  整体と性教育を一緒にと考えていらっしゃるのでしたら、お孫さんのからだにふれながら「からだって不思議だね。」「どこもみんな大切だね」と手のふれている部分の機能について語りながら、内蔵(内蔵の一部として性器についても)全部の機能を教えてあげると一番いいですね。  

  あなたたちは一人で生まれてきたんじゃない。お父さんやお母さんそしておじいちゃんおばあちゃんと何代も何代も絶えることなく命が、つながってきたのだということを伝えてあげてください。 この地球にたった一つの細胞が生まれて 38億年もの長い間絶えることなくその命が続いてきたから、今あなたも私もここにいるんだよ。と…。   整体を通してからだにふれるチャンスがあるのですから、そのふれあいの中で「仲良しの人の肩や足、背中はさわってもいいけれど、プライベートゾーン(胸や性器)にはさわならいこと。誰にもさわらせないこと。自分だけがさわってもいい大切な場所。だからお母さんもおばあちゃんも大きくなったあなたたちに、胸をさわられるのは恥ずかしいと感じたり、嫌だと感じるのよ」などとゆっくりと整体の中で語ってあげてはいかがでしょうか。  

 こういうチャンスに性被害について教えておくことも必要です。

 知らない人にプライベートゾーンをさわられそうになったらその時はちゃんと「助けて」っていおうね。そういう被害にあったらお母さんにすぐ教えなくちゃダメよ」と…。

 大人の恋愛については、「あなたたちが大人になって、大切で大好きな人ができたら、その人とだけはプライベートな場所でラブラブになってもいいんだよ」と伝えることができたら家庭の中での性教育としては一応いいのではないでしょうか。「ラブラブって何?」と聞かれたらまだ幼いお孫さんでしたら「大好きな人にチュってすること」で納得すると思います。

 大好きな人」をことさら異性のことと限定せずに話すことも大切です。  わからなくても聞いておくことで、子どもが大人になってくる道筋のなかで理解していくことでしょう。

 大人が心を開いておいてあげることで、また疑問に思ったときに、きっとおばあちゃんに聞いてくると思います。 この話題は子どもたちの両親と共有しておくといいですね。   子どもがセックスについて聞いてきたとき、ウソをつくと二度と子どもは聞かなくなりますから、上手く答えられなかったら「むずかしくて今すぐ答えられないから、ちょっと待ってね」といって図書館や本屋で本を手に入れ、お孫さんと一緒に勉強するのがいいですね。   と伝えました。

 
C後日談…まずは大人が性に向き合う。
 

 その後、その方からお手紙で後日談が届きました。

 「性教育のお話を伺い、最初は孫にと思った性教育でしたが、私自身が自分の命や性について深く考えさせられ、感動してしまいました。性は人間の本質・真理の部分だからでしょうか…。 ひょうたんからコマとはこのことでしょうか。目から鱗の性教育でした。  

  そして夏休み、教えていただいた書籍を購入し、整体を孫に施しながら、からだやプライベートゾーンの話をしました。  

 小さい孫からはやっぱり「おばあちゃんのおっぱいさわっていい?」と聞かれました。 さわってもいいけど、プライベートゾーンだからね!といい、孫も一度さわるとそれで満足そうに離れていき、そんなものかと妙に納得。 

 プールから帰った孫達を全員並ばせてシャワーを浴びさせると早速「大きいの 小さいの」が始まって、ほんのさわりの部分ですが、その場で私なりの性教育をいたしました。

 そして、孫達の二組の両親にはお泊まり会のテーマを電話で話し、帰ったら性のことを聞かれるかも知れないから書籍を購入して、心して勉強しておきなさいと伝えました。」  

 いかがですか? 孫への性教育。

 まずご本人がすてきに性と向き合い、それを孫に伝える。

 教えた私が、感動した次第です。

 「このような性教育がどうにも私には出来ません」という方は、学校でする性教育と違って家庭でする性教育の基本はふれあうこと。子どもが自分は愛されていると感じられれば、言葉は後でついてくると思います。

 「私は整体も気功も知りません」という方もお子さんやお孫さんとお風呂に入ったり、ちょっとからだにふれたとき、また肩が痛い足が痛いと訴えたりしたとき手を当ててあげながら、話されることをお奨めします。

 気負うことなく出来ることから、自分が感じていることから話し始めることが大切です。  

 

 

参考図書

『ママ、パパおしえて!』 定 価    : 1,365円(税込) 出版社    : 子どもの未来社

おとな図鑑 男の子って?女の子って?

〔小学館ワンダーランドブックス〕税込: \840

Q&A子どもの性の相談室 税込:\1,680

性ってなに? 税込:\1,470

 

『せっくすのえほん』

 やまもとなおひで =かんしゅう/みずのつき

        (子どもの未来社/ 1400円)

『おちんちんのえほん』

文=やまもとなおひで 

え=さとうまさこ(ポプラ社/ 1200円)

 

『あかちゃんはどこから』

 ローズマリー・ストーンズ作 

山本 直英訳(ポプラ社/ 1200円)

 

『おかあさんとみる性の本』

全 3 巻 山本 直英監修(童心社/ 1300 円)

『ほんとうに知りたかった カラダのヒ・ミ・ツ』

山本 直英編(講談社/ 1200 円

 

『性はHのことじゃない』

高柳 美知子著(岩崎書店/ 1600 円)

 

『からだっていいな』

      山本 直英著・片山 健画(童心社/ 1339円)

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