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研究所 相談員 佐藤 晴世

(2) 感覚を育てる 素足で泥遊び
 
@ はだしになりたがる子どもたち
 

 子どもたちを遊ばせていると、はだしになりたがることに気づきませんか?

 乳児期、大抵の家庭では小さな小さな靴下をはかせることが、無情の喜びであったりします。あの無力で、眠っているか泣いているしかなかった我が子が部屋の中をハイハイすることへの喜び。そしてその小さな足に、靴下とも思えないような小さな毛玉をはかせることの喜び。

 おとなしく履いてくれたのもつかの間、今度はその小さな手で靴下を引っ張って剥がしてしまいます。履かせても、履かせても脱いでしまったとう経験をお持ちの方も多いでしょう。

 

 よくお子さんを遊ばせている母親から「うちの子は靴下が嫌いなんです」と言われますが、それは健康な証拠。足の裏とその小さな5本の指で踏ん張りながら世界を確かめているので、靴下や靴にその感覚をじゃまされることに我慢がならないのです。

 

 私の息子達も幼いころは毎日公園ではだしになっていました。雨の日は、水たまりを見つけて、長靴をぬいでぴちゃぴちゃと泥水の感触を楽しんでいました。(ガラスの破片などに気をつけて)

 

 素足でいることは、子どもにとって、とても自然なことなのです。靴下を無理に履かせているうちに、はだしが苦手になってしまう子がいますが、それはもしかしたら子どもが皮膚から学ぶチャンスを阻害してしまっているかも…。

 

 足の裏にはたくさんのツボがあることは、漢方のツボや鍼灸に多少なりとも興味のある方なら聞いたことがあると思いますが、これはとりもなおさず足の裏にたくさんのセンサーがあるということです。

 

A足の裏は探知機」

 木の床材なら冷んやり、そしてかすかな温もり。ビニールシートなら、ねっとり粘り着くような感触。土なら、その質によって「ザラザラ」「すべすべ」「しっとり」「サラサラ」。私のような大人が言葉で表現してみるとざっとこんな具合ですが、子どもの足の裏はもっと複雑な感触を味わっていることでしょう。

 幼児の脳は大人の脳とはまったく違う感受性を持っています。大人は、土は土、木は木として分類していますが、幼児には土という概念、木という概念がありませんから、1つ1つ脳の中で細かく分析しています。まさに足の裏は惑星探知機です。

 

 この探知機を使って感覚を育てる手はありません。

 素足で、土を歩かせ石を踏ませ、公園での砂遊びの時は、そこに水を加えて泥んこ遊びをさせていただきたいのです。人間は太古から土や石や泥と格闘をしてきました。人間に進化しようとしている子どもたちにとって、この土と石と泥の格闘こそが素晴らしい教材なのです。

 感覚を育てるということは脳を育てていることです。わざわざ幼児教室で高い教材を使って学ばなくても、土や泥の感触が脳をしっかり刺激しゆたかな感性を育ててくれるのです。

 

「きたない」「汚れる」と砂場で遊んでいる子どもの手を引いてやめさせてしまう保護者や「風邪をひく」「危険」との理由で水遊びやはだしを敬遠する幼稚園がありますが、ガラスや危険物を取り除いて、子どもが望むなら、そのまま遊ばせて欲しいのです。むしろ自ら汚いといって砂や泥をさわれない子、はだしを気持ちを悪いという子にはそこに至るまでに、どのような経緯があったのか、そのことを考えることが保護者や幼稚園の役割だと思いますが、さてみな様はいかがですか?

 

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