「ここから裁判」高裁第2回公判傍聴と報告集会参加報告

                                      

 11/12、15時から約30分間だけの「第2回公判」を傍聴しました。2回目だからか、30分だけということからか、前回は100名の法廷がいっぱいになりましたが、今回は余裕があり、参加者は全員傍聴席に入れました。

 原告側陳述人は、七生養護学校PTA会長だった清水さんと、ペニス教材を製作した関口先生の2名でした。田部弁護士は事務的な発言を2分足らずしただけでした。           

 清水さんは、ダウン症で言葉だけの理解が難しい、現在23才になる息子さんの高等部時代に受けた性教育について、淡々と、しかし要点は押さえて分かりやすくはっきりと述べられました。

見て聞いて体験した教育が、現在生活のなかで生かされている。授業内容は『さわやかアップ』で保護者にも連絡されたので、よく分かっていた。親自身が子を荷物と感じてしまうことで罪意識を持ったが、心とからだの学習は人間として扱う大事な授業だった。

 「産経」の記事を見てびっくりした。保護者会では「過激」表現に怒った。何が問題か、どこが問題かの問に性器がついているからダメだという答。性器無しの性教育には疑問を感じる。教材が不適切というならば、はっきり説明してほしいと都教委に質問したが、答はなかった。

  事件後の授業は変わってしまった。子どもたちは小さな人形などでは理解できない。授業中3人の教頭が出たり入ったりして、子どもたちが落ち着いて授業に集中できなかった。『さわやかアップ』も無くなった。運営委員会ごとに教頭に説明を求めたが、答はなかった。その後出されたが、発行が少なくなり、内容も以前とは全く異なってしまった。心とからだの学習は「過激性教育」などではない。子ども自身の心とからだを育むための学習だった。

  関口先生は小学部担当で、教材作りに関わった立場から、名誉回復の話をされました。

  精通迎える子に射精の始末を教えたり、性器いじりをする子に、社会的に容認される行動を教えてほしいなどと、保護者会で要望が出された。中学部では精通が多くなるので、小高で教える必要があった。

  障害児は孤立しがちで、勃起や精通を経験した時、不安や混乱が起き、人前でパンツを降ろす、勃起したペニスをはさみで切ろうとする、など、社会的に問題となる行動を起こし勝ち。身体の変化を安心して受けとめる性教育が不可欠。

  障害のある子にも理解できるためには、教材は平面ではなく立体的であることや、見るだけでなくさわれることも必要。排泄タイツでトイレ指導することは、母親との外出の多い男子には必須の授業であった。ペニス教材は、校長会からも評価を受け、ペニス付きタイツを使用しての授業は2年連続依頼されていた。

  次回は2/4()15時〜 101号法廷で、第3回公判を開くことが確認されて、閉廷となりました。ずいぶんあっけない公判でしたが、10分ほどのやりとりで終了という公判もありますから、それに比べれば、原告側の意見陳述が15分くらいずつもできたのだから充分というべきなのかもしれません。裁判官は頷きながらじっくり聞いてくれました。

  報告集会では、弁護士さんからの公判解説、陳述人からの話、参加者からの感想や意見が出されました。

  公判冒頭の弁護士と裁判官のやりとりは、被告側がまだ答弁書を出してないことの確認をしたのだと分かりました。期日は過ぎているので、出ていないことは裁判官の心証が悪くなる可能性があるとのことでした。

  親を陳述人にしたのは、親の人権侵害も理解させたかったからで、異常な人達の教育だと思わせたい、被告の戦法に対抗する意味があった。今後は障害児教育専門家の茂木先生や、教育法分野のよとりやま先生などの証人申請をしていく。教材にしても一見グロテスクであっても、なぜ作ったのかを知る必要があるはず。

  会場には、早大法学部教育法専攻ゼミの学生さんも来ていて、後期ゼミでは「ここから裁判」を発表したいとの発言がありました。

  狛江からは裁判支援の会を立ち上げる「準備会」を、40名が集まってやっているという方が来られていました。教育は門外漢だが、この裁判は素人にも分かりやすい裁判。との発言がありました。

  障害児教育関係者からは、思いが先行しがちな陳述が多かったが、きょうは具体的な説得力ある陳述で良かった。広がりつつある性教育で、子どもの必要性は高まっていたのに、いまでは性教育の校内研修などでも、教頭は戦々恐々としている状況になってしまった。きょうの裁判では教材の話に裁判官が頷いて聞いていた。心を動かしてくれた様子が見えて良かったと思う。との発言が出されました。

  原告の方々からは、総数31名で頑張っている。支援の会、弁護団の援助で今後も進めていきたい。との表明がされました。