熟年の性を考える

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                             研究員  岩淵 成子
 

「いい人」を「恋しい人」に戻しませんか 

 

 

 恋人時代、新婚時代、初めての妊娠と出産。今では遠い昔のことのようになってしまった「あの頃」を、思い返してみませんか。「あの頃」のふたりにとって、互いは確かに「恋しい人」であったはずです。

 いつ頃から、「恋しい人」が「いい人」に変わってしまったのでしょうか。
 子どもに親の呼び方を教える頃から、夫婦は互いを「お父さん お母さん」と呼ぶようになったのではないでしょうか。子どもの立場からの呼び名なのですから、子どもの前だけに留めて、ふたりが向き合うときには、「あなた」や互いの名前でも良いはずなのですが、切り替えるのは面倒なのか、相手の存在が父母でしかなくなったのか、互いの呼び方まで「お父さん お母さん」になってしまったのです。そして今では「おじいさん おばあさん」が、当然のように呼び交わされているのではないでしょうか。

 家族は、互いが安心していられる関係にある者達の集団だから、「いい人」であることで、充分機能は果たしているのかもしれません。
 しかし、「いい人」で居る限り、「ときめき」とは遠い存在になっていくのではないでしょうか。
 家事をこなし、育児をし、仕事に精力をとられている間は、家庭の中は「平穏」が一番になり、互いが「空気のような存在」で、波風立たずにすごして行かれることで、満足できているのかもしれません。

 子育てが終わりに近づき、仕事も先が見えてきている熟年の今。これからの人生設計をするときです。
 その人生設計のなかに、夫婦互いの関係性をどう作っていくのかが、入っていますでしょうか。
 これからの長い高齢期の生活の中で、互いが見つめ合い、助け合っていくために、「いい人」を「恋しい人」に戻しませんか。

 「アゲイン青春」、「第二の青春」、「青春を再び」など、など。熟年期からを表す言葉には、「青春」時代のように、もう一度エネルギーを燃え立たせようと願う気持ちが表れています。
 20代の「青春」は、訳も分からず『青春時代の真ん中は、道に迷っているばかり』とか『胸にとげさすことばかり』(『青春時代』)と歌われているような状況だったと思います。しかし、再びの「青春時代」は、じっくり落ち着いて行動できるときです。

 「いい人」を「恋しい人」に戻すための作戦は、すでにいくつか書いてきました。厳しく互いが対峙して、本物の「青春」になることを願ってやみません。まだまだ、「おまけ」だの「余り」などと言っていられない、長い長い人生が待っているのですから。

 
 

 

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