熟年の性を考える

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                             研究員  岩淵 成子
 

     結婚相談所探訪記

 一昨日の「悪夢」が消えやらぬまま、予約を入れていたので、「結婚相談所」へ「入会相談」に行きました。ネットで探した「相談所」の中では、最高額の入会金を取る所の一つだから、本当に入会する気には、とてもなれない所でした。
 指定された会社は、都庁近くの高層ビル内にあり、入り口を入ると、床には全面絨毯が敷かれ、ホテルのフロントをイメージするような受付がありました。その奥には「コールセンター」のようなブースが3、40びっしり並んでいました。

 予約を受け付けた担当者は、50代と思われる女性で、保険の勧誘よろしく、「我が社」がいかに素晴らしいかを説明し始めました。
 こちらとしては、「我が社」はどうでも良いことで、どういうシステムで「ご紹介」願えるかを知りたかったのですが、なかなかそこまで行かず、自分の希望に合う男性が何人いて、いくら払うと、どんなサービスをしてくれるかが分かるまでに、2時間を費やしてしまいました。

 結果から言うと、初回38万円ほど支払った特別コースの場合は、お見合いパーティへの参加は自由。毎月6名の男性を紹介してくれる。個人的なお見合い面接相談もしてくれる。会社に来れば、条件にあった男性を、写真付きで、毎月8名まで検索できる。自分も写真付きで載せることができ、その写真は、プロに撮ってもらえる。など、など。至れり尽くせりで、これでゴールインできなければ、お代はいらない。という意気込みが感じられました。
 
 そこまで払えない一般コースは、28万ほど支払い、毎月の紹介は3名になり、検索も毎月8名ではなくなる。など、差はあるが、そこそこの対応はしてくれるようです。
 それも高いという人は、6万ほどの支払いで、パーティ参加の場合は、その都度払い。相手との接点は、主にネットだけというコースもありました。
 入会しなければ、パーティへの参加以下、すべての支援は受けられない。「お試しパーティ参加」はないとのことでした。

 入会を促すために、「特典」として提示されたのは、自分の条件に合う男性が、現在何名いるかという検索です。
 一昨日の「お見合いパーティ」とは比較にならない、細かいデータ入力での検索。書き込むデータ用紙には、所々にピンクや灰色の網がかかっている。彼女の説明によれば、第1段階の検索では、年齢、体格、宗教、趣味などのデータと「一口メッセージ」しか出せない。その中から、「この人を」と指名すると、第2段階のデータが出る。それには、大まかな住所、家族構成、など、かなりのデータが含まれ、顔写真もつく。
 第3段階になると、相手の住所、電話番号、メールアドレス、など、すべての個人情報が取り出される。この段階になってはじめて、デイトをすることが可能になる。

 入会時には、年収の証明、独身の証明、などなど。細かい資料の提出が必要だとのこと。物理的にと言うか、外見的にと言うか、証明できることはすべて出したうえでないと、入会できないから、安心してつきあえるし、結婚を考えても良い相手に巡り会える。という「ウリ」の話でした。
 初めは、コートを脱いで、スタイルの外観を見せる。次は下着になってプロポーションを見せる。最後は、全裸になって、けがの傷跡から、ほくろの位置まで、見落としがないように見せる。そんな気分にさせるデータの取り上げ方でした。

 「私の知りたいのは、全裸の姿じゃない。体の中味。DVかもしれない。ドケチかもしれない。大酒飲みかもしれない。ギャンブル狂かもしれない。そういうことはどうデータに出るのか」と、意地悪い質問をしました。彼女はあわてず、「我々は、調べられることはできるだけ調べる。あとは、本人が調べてほしい。出会いとはそういうものではないか」との答弁でした。偶然のきっかけで知り合いつきあうよりも、ずっと安全だというのです。

 断る材料を作るため、とても居そうもないデータを入れて、検索してもらいました。
 0だろうと思ったら、1名居ました。全国には居るものなのです。
 年齢条件を変えると、20名ほどになりました。思想信条、人格は不明だが、全国区になれば、何名かは居ることが分かりました。しかし、毎月3名の紹介は無理だろうし、8名の検索をかけても出ては来ないだろうとも思いました。

 後日、電話が来ましたが、丁重にお断りしました。
 50年、60年生きてきた人間をどう評価し、どうつながりを作っていくのか。コンピューターにできるのは、せいぜい性格的傾向くらいです。互いの人格を認めあえるような出会いを求めることは、至難の業と感じました。

 読者の中に、体験者がいれば、ぜひ「体験談」をお聞かせください。

 
 

 

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