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“人間と性”教育研究所所長 高柳 美知子 |
| ( 2004/
2/18更新)
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| bR 「男もつくられる」 ― ポルノ情報・買春に群がる男たち ― |
| 朝の通勤電車で「日経新聞」に読み耽っている企業戦士が、会社帰りに買い求めるのは、ポルノ情報満載の「夕刊〇〇」「〇〇スポーツ」。今日一日、会社にエネルギーを吸い取られてくたくたになった心身を、ポルノ情報で癒しているといったふうのこうした図柄は、わが国のごくありふれた日常風景といえましょう。 著名な新聞社や出版社発行の週刊誌も、政治や社会問題の記事の合間合間に、若い女の挑発的なヘアーヌードやいわゆるエッチ情報がちりばめられています。 若者が手軽に読み捨てるコミックに登場する女性は、だれもがばかでかい尻と巨乳の持ち主で、なぜかすぐに裸になりたがる…。 こうした読み物にみられる共通項−それは、<セックスは手軽な娯楽><セックスは売り物><楽しむのは男・楽しませるのは女><買うのは男・売るのは女>。 1998 年に発表された「買春に対する男性意識調査」(男性と買春を考える会)によれば、わが国の男性の二人に一人が買春経験者です。買春経験の最も多いのが 30 代後半の 64 、 4 %、ついで多いのが 40 代前半の 52 、 8 %。買春の場所はソープランドが最も多く、以下、キャバクラ、ピンクサロン、ヘルスと続きます。 わが国の買春花盛りの要因の第一は、男女不平等社会にあります。女性が単位時間で最多に収入の得られる仕事(?)は売春です。パートやアルバイトでは、一時間働いて千円がせいぜいというところ。売春ならば、その二〇倍〜五〇倍を軽く稼ぐことができるのです。社会の男女の経済的な不平等が、「買う男」と「売る女」をつくりだしているのです。要因の第二としては、日常的な男女の関係の貧しさがあげられます。一緒に暮らす男女が、共に愛し合う関係性を持続し、またシングルの男女も、異性の友人や恋人に出会うことがもっと容易である社会であれば、買春に走る男もずっと少なくなるでしょう。 女性に対する男性の性的支配の歴史は、男性が女性をその従属下において支配してきたことと深く結びついたもので、すぐれて政治的、社会的な問題です。<見る・楽しむ性><見られる・楽しませる性>の男女の性の構図もまた、今日の男性主体の社会構造と切り離しては考えられません。「女として生まれるのではない。女につくられるのだ」(ボーヴォアール)にならって言えば、男もまた「男として生まれるのではない。男につくられるのだ」と言えるのではないでしょうか。
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