|
ラブレターの薦め―告白は永遠のテーマ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
「最近、好きな人ができました。でも、どうやって告白したらいいかわかりません」―私が担当している児童誌『小学五年生』に寄せられた女の子の相談です。
男の子からも「ぼくは最近、好きな女の子ができました。好きな気持ちを伝えるには、どうすればいいでしょうか?」。
私のコメントは「思いを伝える方法は、昔も今もお手紙が一番」。
最近出たある中学生向けの雑誌では、中学生が選ぶ告白手段の一位は手紙、続いてメール、直接となっています。恋の告白にはラブレターがふさわしいと考えているの知って少し安心しました。
告白に関する悩みは永遠のテーマです。子どもたちにあて名のないラブレターを書かせてみるのもいいかもしれません。ひそかに思いを寄せるあの人に向け書くのもいい。あて名がないから思い切って気持ちをぶつけることができるでしょう。
その際、次のようなラブレターがあったことも伝えてあげてください。
平安時代の貴公子は、恋人と一夜を過ごした翌朝、恋文を女性に届けました。季節の木の枝を折って、そこに恋文をつけて従者に女性の家に届けさせたのです。咲き盛る桜の枝、紅に彩られたもみじの枝…。恋文をほどくときのときめきはどんなであったか。源氏物語などにその風習が描かれています。
小説に描かれた告白の名場面や恋心をうたった詩や歌など、ベートーベンやナポレオンなど有名人の恋文を子どもに紹介するのもいいですね。
私の心に刻まれたラブレターの一つは、「戦没学生の遺書にみる戦争」(光文社)で紹介されている当時大学生だった宅島徳光(たくしま・のりみつ)さんという方のものです。先の戦争では兵力不足を補うため途中から二十歳以上の大学生も出征することになったのですが、海軍に所属した宅島さんが恋人にあてしたためた詩です。
〈俺の言葉に泣いた奴が一人/俺を恨んでいる奴が一人/それでも本当に俺を忘れないでいてくれる奴が一人/俺死んだらくちなしの花を飾ってくれる奴が一人/みんな併せてたった一人…〉
死といつも隣り合わせであった若者の愛の告白が、即、遺言であったという痛ましさも、日本のラブレターの歴史にはあることを知ってほしいと思います。
|