| 敗戦から62回目のこの夏、「戦争」をテーマにした本を二冊、刊行しました
。
一冊は、『あなたは「三光作戦」を知っていますか』(新日本出版)。「三光
作戦」とは、日本軍が中国の華北(北部地方)で行った掃討作戦のこと。その作 戦の残虐さを、中国側が「殺光(殺しつくす)」 「焼光(焼きつくす)」「搶光
(奪いつくす)」と呼んだことから三光作戦と呼ばれています。
「戦争放棄」の憲法を捨て、再び「戦争のできる国」にしようとの動きが急ピ
ッチに進行している今日、日本軍の加害の事実を中学・高校生に知ってもらいた いと元皇軍兵士・坂倉清さん(86歳)の体験を聞き取ることにしたのですが、
あまりの残虐・非道さに何度も耳をふさぎ、「やめて!」と声をあげそうになり ました。
この本を通して中学・高校生に知ってもらいたい、考えてもらいたいもう一つ
は、日本軍はなぜ、こんな蛮行をやったのか、やれたのかということ。そして、 元兵士の坂倉さんが、なぜいま自分の罪業を告白したのかということ。
坂倉さんは、「私を『日本鬼子(リーベンクイズ)』に仕立てあげたものは、
軍国主義の《教育》と《兵役》だ」といいます。そして最後に、「日本の子ども たちへ」の遺言として次の三つをあげました。
・戦争は無残なものです。
・戦争からは良いことは生まれてきません。
・戦争の兆しがちょっとでも見えたら、すぐ消しましょう。
15年戦争と共に育ち、軍国主義教育で徹底的に調教された生粋の“戦争っ子
”である私には、坂倉清さんの三つの遺言は自分のものでもあります。
もう一冊は、『戦争と性ー韓国で「慰安婦」と向き合う』(かもがわ出版)で
す。
昨年十月、私が団長をつとめて九名で訪問した韓国の「ナヌムの家」での見
聞を素材に、「慰安婦」問題を授業で取り上げた実践や元日本兵の赤裸々な証言 、文学にみる“戦争と性”、韓国の作家の漫画など、日本軍「慰安婦」問題の今
日的論点を立体的に検証しました。
西野留美子さん(「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク・共同代表)から
は、次の推薦の言葉をいただきました。 「『慰安婦』問題は『狭義の強制連行』に収斂されるものではない。性と何か ? 尊厳の回復とは何か? 本著はセクシュアリティと『女性への暴力』の視点
から、その本質をえぐり出している」 お目を通していただければ幸いです。 |